2018年9月12日 5回目のこんにちは




土屋さんと面会のため、一週間ぶりに拘置所へ(前回の面会は9/4)。

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5番面会室

何色か忘れてしまったが、淡い色(確か水色だったような・・・)のTシャツ姿で入室してきた土屋さん。

服装のことよりも、また髪の毛を剃ったようで、さっぱりカットされた頭に先ず目が向いた。

いつものように彼が一番右(わたしからみて一番左)に着席する前に、私は

「また髪切ったんですね」と話しかけた。

「はい、その周期がきたので・・・」と土屋さん。

彼が着席してすぐ私は、「お昼ご飯は食べましたか?」と訊ねた。

私が面会に伺ったのは、お昼の1時30分を過ぎた頃だった。

昼食の献立ー東京拘置所

面会の前に、お昼ご飯と、屋上での運動を済ませてきたという土屋さん。

お昼ご飯の献立を聞くと、

「えっと~・・・」と思い出せないような様子を見せた後、

「料理名が解らないんですよね」と言った。

聞き込むところによると、筑前煮のようなものが主菜だったそうだ。麦飯とお味噌汁も付いていたと教えてくれた。

私が「お腹いっぱいにならなさそう」と言うと土屋さんは、「その方が健康的だと思う」とのことだった。

東京拘置所が被収容者に配膳する食事につき、だいたいの献立は、昼夜問わず、上記で述べた定食スタイルが提供されるそうだ。

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「一日中、何してる?」

死刑囚含む、被収容者それぞれ1日の過ごし方は違う。

ひたすら勉学に励む者

(係属中であれば)裁判の書類準備に追われる者

絵を描く者

読み書き等の練習をする者

決まった時間にお祈りする者

何もしない者

土屋さんの場合はどうかが気になり、聞いた。

例えば、面会に伺ったこの日、私が来るまで何をしていたか

きのうはどんな日だったか、等。

日によって過ごし方が違う、というような回答だった。

わたし自身食事に関しての質問に気が進まず、詳細は聞けずじまいだったが。土屋さんもどう答えようか?戸惑っているようにみえた。

なぜなら今日は、そんな世間話をしに来たわけではなかったからだ。

私はある報告とお願いをしようと、話題を変えた。

「取材を断られました」

「教えてもらった●●●(土屋氏の児童養護施設)に、連絡をしたのですが、話はできないと(取材を)断られました」。

私はようやく重い口を開いた。続けて

「施設に電話したんです。土屋さんの紹介でと伝えて・・・」

土屋さんの表情がだんだん曇っていくのがわかった。曇るというよりも、私の報告の後ハッとしてチクリと痛み出したような表情を見せてきたのだ。彼は言った。

「(土屋という)名前、出さない方が良かったんじゃないですか。取材だったらなおさら・・・」

私は「名前を出さなければ意味がない」という旨の返答をした。まず自分が何者かを名乗るのに土屋さんの名前は外せないのだから。

私は恐る恐る、

「施設は駄目でしたけど、一審(前橋地裁)と二審(東京高裁)の弁護士の先生にお話し聞きたいと思ってます。良いですか?」と聞いた。

彼の目に、私が残念そうに映ったのか、彼は同情するかのように

「あとで住所(事務所の所在地)を手紙で送っておきましょうか?」と。

私は、お願いしますとよろしく伝えた。

話のキリが良いところで、土屋さんの隣に座っている記録係りの刑務官が、

「もうそろそろ(面会終了時刻)です」

と告げた。15分が過ぎようとしていた。

最後に私が「涼しくなってきたので、チョコレートか何か差し入れしておきます!」と言うと、彼は謙虚にお礼を言い、席を立った。

面会の後、私は一階の売店で、6個入りのチョコパイを購入し、差し入れ手続きを済ませて拘置所を去った。

面会の後で

面会から数日後、手紙が来た。

相変わらず強い筆圧。いつもと少し違うのは、彼の文面から妙な深刻さが伝わってきたことである。

「話題に移るのがもどかしく、有意義な会話が出来ず申し訳ない」という旨の謝罪文があった。

この日(9/12)面会したとき、私がなかなか本題に移らないからか、何か察してのことだったのだろうか。

続いて差し入れのチョコパイに対してお礼も添えられていた。

手紙の最後、便箋1枚目から2枚目にかけては、一審と二審を努めた代理人弁護士の先生方の名前と、事務所の所在地が丁寧に綴られてあった。

私は早速、記載されていた法律事務所のうち、一審を努めたある先生に、取材を申し入れたく、ペンを執った。

ひとりごと

私が取材を断られたと告げた際の、土屋さんの痛むような表情が忘れられないでいる。触れてはいけない物事に触れてしまったような感覚に陥った。過去のことに触れられ、また傷つけてしまったか。それでも彼は私に、彼を取り巻く人間とあっても良いと言うかのごとく、一審と二審で代理人を務めた弁護士の先生方の名前を教えてくれた。

ただの同情か、実は知ってほしいと思っているのだろうか、もはやどうでも良いと諦めているからだろうか。

彼の核心は未だ厚い雲に覆われて露わにならない。私自身、彼の心の扉のドアノブに手をかけたまま、勇気を出して開けられずにいるせいだろうか。

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