狭山事件の再審を求める市民集会




 

今回、ご縁があって
〈狭山事件の再審を求める市民集会〉の司会を務めることになった。かねてから石川さんご夫妻にお世話になっていたため、依頼が来たときには「少しでも力になれれば」という思いで二つ返事で引き受けることにしたのだ。

わたしは日比谷野外音楽堂のマイクを手にし、緊張しながらプログラムを進めていた。

あいにくの雨天気でも、野音は多くの人で溢れた。開会の挨拶は部落解放同盟中央本部委員長の組坂繁之さん。政党からは元法務大臣・小川敏夫さんに社民党・福島みずほさん。連帯アピールでは袴田事件の袴田巌さんの姉・秀子さんを始めとした冤罪被害者の方々。そして、まとめの挨拶は、私が尊敬してやまない鎌田慧さん。映画監督の金聖雄さんも撮影に来ていた。また新たな映画を製作されるのだろうか。

裁判所は事実調べを!検察は証拠開示を!

狭山事件の冤罪を晴らすには、事実調べと証拠提示が不可欠だ。半世紀以上も前の事件が未だ解決していないこと自体が問題だが。

この事件は〈無かったこと〉として片付けられようとしている。加えて狭山事件に限っては第三次再審請求以降、42年も一切の事実調べ・検察による証拠提示がなされていない。闇に埋め込みたいとする政府の思惑と思えては、いちいち憤りを覚えるのは私だけではないはずだ。

さる8月、狭山事件の再審無罪への解決へと導く画期的な新証拠が露わになった。本件の有罪判決の決め手となった被害者の万年筆のインクが、全く別物だったことが判明したのだ。
なぜ、証拠を隠し持つのか。真実を知らせない国家と、知ろうともしない国民。伝えたい私と、興味の肌理が荒い人々。いつもここに悶々としてしまう。

集会では、「一日も早い再審開始に向けて、共に声をあげ闘おう」と力強いメッセージが放たれた。会場内に何度も湧き上がる拍手。その勢い保たれたまま、会場にいる参加者はみなデモ行進へと向かった。

何十年も置き去りにされている狭山事件。勝ち目のない闘いのように思われるかもしれない。私がどれだけ声を上げて応援しても、もしかしたら実が開かないかもしれない。そんなこと想像したくないけれど、どれだけ無意味だったとしても、そこに在る悲しみを置き去りにしたくはない。こうして警鐘を鳴らし続けるのは、一雄さん早智子さんの痛みに触れてしまったから。

 

952字

スポンサードリンク