ピースボート航海日記『船内でこんなことやってます。その3』




こんにちは。Good afternoon。アニョハセヨ。ダージャンハオ。オラ。

本日、オーシャンドリーム号(ピースボートが使用している旅客船)はパナマ運河を通過中。

明後日、コリントはニカラグアに寄港します。

そこを過ぎると、ハワイ。そして、日本に帰国するわけです。過ぎてみれば早いものですね。

さて、寄港地ラッシュと呼ばれる寄港が集中する区間を終え、

しばらくは船内で、『シリーズ・日本のタブー企画』を行なっていました。

ハンセン病のことをジブリ映画『千と千尋の神隠し』から紐解いてみたり、

【おりづるプロジェクト】のユース特使として乗船している、SEALs KANSAIの浦田沙緒音さんをゲストにむかえて、『デモ』をテーマに取り上げた企画をしてみたり。

これは自分自身が勉強になりました。

※おりづるプロジェクト・・・正式名は、ヒバクシャ地球一周 証言の航海。

広島・長崎の原爆の被爆者とともに世界を巡り、核廃絶のメッセージを各地に届けるプロジェクト。

これまで170人以上の被爆者が参加し、「核なき世界」のアピールを実施。

今回の第95回クルーズでは、長崎被爆者1名・木村徳子さんが欧州、米国、ラテンアメリカ諸国を訪れ、証言活動を通じて核廃絶を訴えている。

久しぶりに、おととい(10月25日)に行なった企画の様子を更新します。

今回テーマにしたのは、『被差別部落』について。

では、続きをご覧ください。

シリーズ 日本のタブー 部落差別

このテーマ自体、若い方からすれば、タブーでも何でもないことかもしれません。

私の親世代や団塊の世代の方々からすれば、触れにくい、センシティブな問題でしょう。

なぜ今回これをテーマにあげようかと思ったか、キッカケを話すところから企画はスタート。

ちなみに、150枚用意した参考資料は企画開始前には配りきったため、集客は200人近くだと思われます。いつも、たくさんの方に聞いていただいています。

「私は大阪出身です。多くの被差別部落地域があります。関西は道徳の授業で習うことが多いが、学校で教えてもらった覚えはありません。そのかわり、親から部落差別のことを聞かされた記憶があり、そのときの発言が差別的であったことを何となく覚えています。向き合うようになったのはだいぶ後になってからです。きっかけは、『狭山事件』を知ってからでした。」

こんなことを話したと思います。

このあと、会場のみなさんへ問いかけます。

「『被差別部落』と呼ばれる地域が家の近くにある、という方は?」

「『部落差別』を学校で習いましたという方は?」

「その中で関西もしくは関西より西にお住まいの方は?」など。

このあと、福岡県の元教員の若者参加者で、今は地球大学生として活躍している深山翔平さんにマイクを渡し、ざっくりと部落差別の起源や歴史を振り返りながら、実際に小学生たちに向けておこなった『ちがいのちがいワークショップ』なども交え、この問題と向き合っていきました。

このワークショップは、道徳の時間に実際に行なったもの。彼は保護者会でも、差別部落についてのレクチャーを、これまでに何度も開いてきたそうです。

「私も小学生のときに実際に聞いてみたかった!」と思わせられるような内容でした。

会の終盤。

幼い頃から部落で生まれ育ったという方から、生の声を伺いました。

彼の育った環境や、親から被差別部落民であることを告白された当時の感情。

ただ淡々と、凜と投げかける言葉ひとつひとつに、会場はしんと静まりかえります。

「どこかでこの問題と再び向き合う時が来たとき、今日の講座のこと思い出してくれたらなぁと思います。」

と、どこか切ない表情で語った横顔。忘れられません。

「『ムラ』で育ったことを、僕は誇りに思っています。」

最後に放たれたこの言葉を、私の心のなかで大切に育てていきたいとおもいました。

〆に、書籍・いのちの食べかたより、

私が伝えたいメッセージがあったので、その部分を読み上げ、おわりました。

下記に引用します。

 森達也・「いのちの食べかた」理論社より

 『大切なのは知ることだ。もしも君が、被差別部落の歴史と現状をもっと詳しく知りたいと思ったなら、まずは図書館に行けばよい。ある程度の書籍や資料はきっと見つかるはずだ。でももっと大切なことは、人に教えられたり書いてあるものを読むだけでなく、被差別部落で生まれた人と知り合いになることだ。もし君の周囲に、被差別部落で生まれた友達がいないのなら、想像しよう。自分自身をきちんと主語にして。差別されることの痛みや苦しみを。』

『伝える』ができる環境に、改めて感謝。

この日の船内新聞に掲載した告知文は写真の通り。

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ひとりごと

あらゆる差別の解決の手がかりはきっと、他者の痛みを思う想像力から見いだされるもの。

無知が誰かを傷つけるくらいなら、知り得た苦しみを味わう選択ができる自分でありたい。

『知る』ことはつらい。でも、『知らない』が誰かを傷つけてしまうことの方がもっとつらい。もっと残酷。

だからこうして言葉を紡ぎたい。わがままだけど、記憶を連ねていたい。

無知がゆえに差別当事者になる、その前に。

2088文字

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