私の今年の漢字




ライター講座の宿題800字


2018年の世相を表す「今年の漢字」は「災」に決まった。日本漢字能力検定協会(京都市東山区)が12日、清水寺で発表した。本行事は阪神大震災が起きた1995年の「震」に始まり、今年で24回目である。「災」は、新潟県中越地震などがあった2004年にも選ばれている。日本の自然災害の多さ、そしてそれが一年を強調するほどの出来事だったのかと改めて気づかされる。

私にとって今年を表す一字は何だろうか。年の暮れにそんなことを考えていた。振り返れば、書く仕事を始めたのは今年からだった。初めて誌面に自分の名前が出されたのは二月で、夏には連載の機会も得た。良い反響もあれば、私の表現を気に食わんとする者もいた。色眼鏡で見られる違和感や、見知らぬ者からの心無いメールは、私の筆を止めさせた。 私だけがどこか遠くにいるような感覚が心を覆い、孤独に似た感情を得ることもあった。「なぜ、私は書いて伝えるのか」と考えざるをえない夜が何日も続いた。けれど書くことを止めなかった。それを止めることは、自分という視点を闇に葬ることと同義だと、ある時気づいたからだ。

私にとって「書く」こと。それは届かない声を代弁すること。地表に見えない現状を可視化すること。人の心に踏み入る重さを真に受け、自分の感情も揺さぶられながら書くことは、心かき乱されるもの。けれど、そんな濁流の中に身を置いていることすら感じさせないほど、書くことは時間を忘れられること。

もしかしたら、私の「書いて伝える」という行為自体、気づかぬうちに誰かを傷つけているかもしれない。けれど、伝えなければならない事に蓋をし、書きたい想いを自ら押しつぶして沈黙を貫くことなどできない。だからこそ、いつも謙虚に「書」く。そのことを常に頭に置きながら、来年も書くことを止めずに生きたい。

私の今年の漢字は、「書」。現在、長編を書き上げるべく、取材を続けている。

 

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